轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

05 第五分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 页

青空文庫

節食はもちろん、喰えるものは喰い尽し、穀倉の中の土まで篩にかけてつないで来た奉行の苦心を聞くと、彼は、何もいえなくなった。

黙々、帰って来ると、大勢の将士がいる武者溜りの真ん中にどっかり坐ってしまった。人々は、貞昌の顔色に、すべてを読みぬいていた。

「勝吉! ……勝吉はおろうが」

ふいに面をあげて、洞窟のような大床の人影をみまわした。

明り採りの狭間に近く凭って、黙然と膝をかかえていた従兄弟の奥平勝吉が、

「これにおりますッ」

明晰に答えて、前へ進み、じっと、眸をあげたまま両手をつかえた。

三九郎貞昌は、彼を見ていた眼をふと一同に移して、

「ほかの者も聞け。いまもつぶさに調べたが、城中の糧は、剰すところ、あと四、五日分しかない。死馬を喰い、草を喰うとも、幾日をつなぎ得よう。――危急は迫ると、疾く、岡崎へ向って、援軍の後詰を仰いではあるが、なんとしたか、いまもって、お沙汰は聞えぬ」

「…………」

「むなしく餓死はせぬつもりだが、さりとて、この一城と、五百のお味方を失いたまわば、岡崎浜松も危うからんと――胸がいたむ。あくまでも――最期の一瞬までも――たとえ土を喰い草を咬もうと戦わねばならん。