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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页
出し抜き合うのが心得だから」
「ハッハヽヽ」
と閣下は立場として何方の肩も持てない。
「折り合うものか何うか、一つ御相談下さい。私は一寸失敬します」
と言って、座を外した。
吉川君が頑張り続けた。この一事によって形勢が定るような意気込みで反対した。
「そんなことを言ったって、もう宣戦布告じゃないか? 今更晩いよ」
「それじゃ君は何か予定でもあるのか?」
「無論あるさ。僕は宣戦布告と同時に一艘撃沈してやるんだ」
「悉皆海軍の感化を受けたね」
と瀬戸君は皮肉を言った。
「僕かい? 撃沈されるのは」
と安達君が念を入れた。
「うむ。手近の奴から片付ける」
「大きく出た」
「見てい給え」
と吉川君はもう勝ち誇っていた。
「ところで、安達君、今日はこれから何うなるんだろう?」
と瀬戸君はもう吉川君を相手にしなかった。
「さあ」
「早速不便だぜ。斯うやって待っているのかい?」
「図々しいもの勝ちなら仕方がない。僕もこのまゝ頑張るよ」
「しかし気の利かない話だね。三人揃って待っているなんかは」
「誰か出て来てくれないと居心が悪いよ」
と安達君も立場の不自然を感じ始めた。
「これは矢っ張り日を定めて貰うんだね。