轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
「新青年」博文館、1936(昭和11)年2月~6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,982 字 · 220 页
そして居ずまいを直した後で、
「じゃあ仕方がありません。云いだしたくはないが、私からその訳を云いましょう。お察しのとおり或る事情がある。……」
「ああ、黒河内さん。……」と、今まで下を俯いて黙りこんでいた市長が、ハッとした様子で声をかけた。
「いや高屋さん。やはりこれは云わにゃならんことですよ。云わないで置こうとするから、貴下は無駄な苦しみをする」
そういって総監は両手を出して、卓子の上に組んだ。
「実は市長このところ大失態をやった。それは大事にしなけれアならんT市の黄金の鍵を二、三日前失ってしまったんです」
「ナニ、T市の黄金の鍵を……。ああ、それは飛んだことだ。あれは一つしかない。T市では一番大切な品物だ。それを無くしたとは、一体全体何ごとだ! 市長! これぁ辞職や切腹だけでは、済みませぬぞ」
動坂三郎は顔の色を変え、市長の方へ太い拳固を幾度もつきつけた。市長は更に青褪めて見えた。
「そのとおり、全く高屋さんの大失態だ。しかしネ、動坂さん。いろいろ訪ねてみると、その鍵がどうして紛失したかハッキリしないのです。つまりそれは落したものか、それとも盗まれたものか分らない」