轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

03 下巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 页

青空文庫

幸子が第一に気が付いたことは、昨日と違って今朝は病人の眼が据わっていた。平素から表情の顕著な人ではないが、今朝は全く感覚を失ったような茫然たる顔つきになって、異様に大きく見開かれた瞳が、じっと空間の一点に釘付けになっていた。それはどうしても死期が近づいた相のように思えて、見ていると恐くなって来るのであったが、昨日はまだあんな風に涙を浮かべて物を云ったりする元気があったのに、今日はさっきも奥畑と姉達が、附いて行く、いや止めてくれ、………で、外の廊下で揉み合っている間じゅう、当人は何も関わりがないかのように空ろな眼を据えているばかりであった。

昨日の電話で、蒲原院長は特別室を用意して置くと云うことであったが、妙子が入れられた部屋と云うのは、病院とは廊下で繋がって別棟になっている、金のかかった純日本建築の座敷であった。もとこの一と棟は院長の住宅として建てられたのであるが、去年蒲原はここから十丁あまり離れた住吉村観音林に、某実業家の邸宅が売りに出たのを買い取ってその方へ住居を移し、この建物を折々の休憩用に当てていたのを、今度妙子を預かるについて一つは隔離の目的にもかなうところから、超特別室として提供してくれたと云う訳で、客間にしていた廻り縁附の八畳に四畳半の二た間続きを病室に当てて、附添人の便宜のために台所や風呂