轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
03 下巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 页
つづいている川であった。彼女達はところどころに架してある土橋をときどき彼方へ渡り此方へ渡りして、………川へ落ち込まないように警戒し合いながら、………眼が蛍のように光ると云う蛇を恐れながら行ったが、一緒に附いて来た菅野家の男の児、六つになる惣助はこの辺の地理を熟知していて、一寸先も見えない暗中を素ばしこく走り廻った。惣助々々と、今夜の案内に立った父親の耕助、―――菅野家の当主が、心配して折々怒鳴った。その時分になると蛍があまり沢山いるので、誰も遠慮なく声を出したが、お互に、蛍に釣られてつい離れ離れになるので、始終呼び合っていないと、闇に取り残されてしまう心配があった。幸子はいつか雪子と二人だけになっていたが、向う岸でこいちゃんこいちゃんと云っている悦子の声と、それに答える妙子の声がとぎれとぎれに、………少し風が出て来たので、………聞えたり消えたりした。何と云っても子供っぽい遊びになると、三人のうちでは妙子が一番気も若いし、体も利くので、こう云う時にはいつも彼女が悦子の相手をさせられる。………その、川の向うから風に伝わって来る声が、今も幸子の耳に聞える。