轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
03 下巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 页
か、と云った。―――
先ず、妊娠三四箇月と云うことに誤りはないであろうけれども、矢張専門医に診て貰って事実を確かめ、予め分娩の時期を知っておくことである。そして転地をさせるのであるが、これは有馬温泉あたりが何と云っても便利であろう。都合のよいことに、妙子は今もアパート住まいをしているのであるから、今後は絶対に出入りを差止め、夜間にアパートから自動車に乗せて有馬まで運ばせる。附添には、何かと難はあるけれどもお春にくれぐれも注意を与えて、附いて行かせることにしよう。云う迄もなく有馬の旅館では蒔岡の姓を隠して、何処かの夫人が療養に来ている体裁で宿泊するのである。そう云う風にして臨月まで滞在して、有馬でお産をしてもよいし、或は、人に発見される恐れさえなければ、少し前から神戸の然るべき病院に入院してもよいが、それはその時分の情況次第にしたらよかろう。これを実行するのには、妙子と、相手の三好とか云う男との承諾を得ることが必要であるが、これは貞之助が、妙子にも、三好にも、自分で会って納得が行くように話をしよう。貞之助の考としては、こうなった以上妙子と三好とは早晩結婚すべきであると思うので、自分もそのことには反対しない。