轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
と芳子さんは態注進して引っ張って来たのらしかった。新太郎君は不意を打たれてお見舞いどころでなく、唯お辞儀をするばかりだった。
そこへ女中が顔を出して、
「若旦那さま、先生がお二人お見えになりました」
と取次いだ。
「よし/\。それでは、西川さん、これから対診がありますから、一寸失礼致します」
「私はもうこれで……」
「いや、何うぞ御ゆっくり、御遠慮なく」
と松浦さんは押しつけるように言って出て行った。
秀子さん芳子さんと一緒に残された新太郎君は落ちつかない心持だった。矢張り坊ちゃん育ちの純な青年である。
「あなた方もいらっしゃるんじゃありませんか?」
と心配そうに周囲を見廻した。
「いゝえ、病室は看護婦二人と母と姉が附添っていて一杯ですの」
と秀子さんは案外平気だった。
「しかしお宜しい方で結構ですね」
「はあ一時は随分心配しましたのよ」
「然うでしょうとも」
と新太郎君も嘸々と察し入った。
又女中が現れて、
「お嬢さま、大森の叔父さまと叔母さまがお見えになりました」
と注進した。
「然う? 西川さん一寸失礼致します」
「私はもうお暇致します」
「いゝえ、構いませんのよ」