轻松读懂日语经典作品
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
昔卒業した学校から寄附金の勧誘なぞを受けた場合、
「斯ういうことは私の一存では計らい兼ねますから、主人に申して下さいませ」
と言って清次郎氏へ廻す。主人公は鹿爪らしく面会するが、
「宜しゅうございます。一つ考えて置きましょう」
と答える丈けで、決して責任は負わない。後から奥さんに相談する。
「あなた、こんなものに一々出していちゃ果しがありませんよ。キッパリお断りなさいませ」
と貞子夫人が決定してくれる。御主人は看板に過ぎない。
出入のものは皆これを知っているから、手っ取り早く直接に奥さんに当りたがる。しかし夫人はそんな良人を蔑ろにした行動を許さない。
「旦那さまに訊いて下さい」
と必ず仰有る。二重手間でもそれは人の手間だから構わない。何処までも御主人を御主人として立てる。例えば植木屋が仕事に来ていて、
「奥さま、あのお池の側の赤松でございますが、あれを……」
と揉み手をしながら腰を屈める。
「赤松が何うか致しましたの? お庭の方へ口出しをすると、私、叱られますから、旦那さまへ直接に申上げて下さい」
と貞子夫人は至って淑かに突っ弾ねる。植木屋は御主人のところへ罷り出て、