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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页

青空文庫

「成程」

「それから器量の好いのに感心したそうだ」

「僕の審美眼に敬意を表していたろう?」

「いや、大奥さんだよ」

「おっと、これは僕が早まった。ヘッヘヽヽ」

「四十そこ/\の姥桜だとさ。あれなら私でも結構だってさ」

「宮地さんて人は女好きのようだね。それから?」

「仲人に行って先方のお母さんを見初めちゃ済まないが、実際の話、あれじゃ若い時が思いやられます。ヘッヘヽヽって、君のような笑い声だったよ」

「そんなことは何うでも宜い。それから?」

「それ丈けさ」

「何あんだ。馬鹿々々しい。もう一遍行って来てくれ給え」

と新太郎君は又命じる。

「よし。今のは見つからなかったから、ノーカウントだ」

と寛一君は又下りて行く。

「何うだい?」

「結納は早速取交して式は来年の三四月という先方の意向だが、ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーは五月に入ってから帰るのらしい。すると五月だね」

「結構だよ」

「それまではお互に交際して性格を理解し合うこと」

「申分ないね」

「以上主人病中ゆえ代って申上げますと、立板に水のよう、ハキ/\したものですよって、又褒めていたよ」

「以上というと?」

「中途から聞いたんだよ」