轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页

青空文庫

「一寸お待ち下さい」

と薬局生は先生のところへ訊きに行って来て、

「お薬には及びませんそうで、折角お大切に。ヘッヘヽヽヽ」

と窓の内から新太郎君を覗き上げた。

新太郎君は稍忌々しかったが、完全に目的を達した次第である。家へ帰ると直ぐに、

「丹波さんは何うも大袈裟で困りますよ。この忙しいのに、一月ばかり海岸へ転地しろと仰有るんです」

とお母さんに相談した。

「そんなに悪いの?」

「いや、今直ぐ何うってことはありませんが、無理をすると悪くなる心配がありますから、一思いに早く静養する方が宜かろうと仰有るんです」

「然うしますか?」

「えゝ。店の方の都合さえつけば」

「病気なら仕方ありませんわ。卒業試験の時に毎晩徹夜で勉強したのが応えているんですよ」

「然うです。学校を卒業すると大抵一遍は神経衰弱をやるものです」

と、まさかそんな理法もあるまいが、母親は瞞し宜い。

「でも寛一は平気じゃないの?」

「あれは特別です。撲ったって死にません。僕、何でも寛一君と一緒にされるんで困りますよ」

「お前は子供の時から弱かったからね」

「独息子で余り大切にし過ぎたからですよ」

「大切にしてやったり苦情を言われたりしちゃ埋まらないわ」