轻松读懂日语经典作品
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
「何故?」
「僕とは標準が違うからね」
「何あに、苦労をした人だから案外分っているよ」
「秀子さんが及第しても、ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーが落第する」
「秀子さんにかい?」
「然うさ。あんな怖いお父さんは厭だと言うかも知れない」
「その時はその時さ」
「何ういう意味だい?」
「それまでの縁さ」
「ふゝん」
「溜息をついているのかい?」
と寛一君は他のことだから然う執着がない。
汽車の中の内証話はナカ/\骨が折れる。声を低めれば車の響に消されてしまう。高めれば周囲の人に聞えてしまう。二人は追々口を利くのが負担になって、間もなく申合せた様に目を閉じた。唯東京まで運ばれて行く外に差当り用がない。他の乗客には寝ているのが多かった。寛一君も一寸ウト/\したが、新太郎君の身体から微動の伝わって来るのを感じて我に返った。貧乏揺りだと思って又目を閉じると又ピリ/\と来た。顔を覗いて見たら、蔽った手の下から涙が流れていたので、
「おい君、君」
と慌てゝ囁いた。
「…………」
「何うした?」
「…………」
「見っともないぞ」
と窘めたが、新太郎君は何とも答えずに、居眠りを粧って泣いていた。