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さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
「これを見て歎く者があれば、その三族を罰すであろう」と、郡県にあまねく布令た。
ところが或る日、布冠をいただいて、黒い喪服を着た一処士が番の兵に捕まって、府堂へ引っ立てられてきた。
「丞相のお布令にもかかわらず、こやつは袁譚の首を拝し、獄門の下で慟哭しておりました」というのである。
人品の常ならぬのを見て、曹操は自身で糺した。
「汝はどこの何者か」
「北海営陵(山東省・県)の生れ王修、字を叔治という者です」
「郡県の高札を見ていないのか」
「眼は病んでおりません」
「しからば、自身のみならず、罪三族に及ぶことも承知だろうな」
「歓びを歓び、悲しみを悲しむ、これ人間の自然で、どうにもなりません」
「汝の前身、何していたか」
「青州の別駕を務め、故袁紹の大恩をうけた者です」
「わが前で口をはばからぬ奴。小気味のいい云い方だ。しかしその大恩をうけた袁紹となぜ離れていたか」
「諫言をすすめて、主君に容れられず、政務に忠ならんとして、朋人に讒せられ、職を退いて、野に流れ住むこと三年になるが、何とて、故主の恩を忘れ得ましょうや。いま国亡んで、嫡子の御首を市に見、哭くまいとしても、哭かずにはいられません。