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さんごくし

三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁

青空文庫

兄弟再会

一

兄貴、悪く思ってくれるな。……ともかく、おれの古城へ来てくれ。落着いてゆっくり話そう」

「わかったか、それがしに二心のないことが」

「わかった、わかった。もういうな」

張飛は大いにてれた顔して、三千の手下に向い、二夫人の御車を擁して、谷間を越え渡れと大声で下知しはじめた。

兄弟再会

一

その晩、山上の古城には、有るかぎりの燭がともされ、原始的な音楽が雲の中に聞えていた。

二夫人を迎えて張飛がなぐさめたのである。

「ここから汝南へは、山ひとこえですし、もう大船に乗った気で、ご安心くださるように」

ところが、その翌日。望楼に立っていた物見が、

「弓箭をたずさえた四、五十騎の一隊がまっしぐらに城へ向って寄せてくる」

と、城中へ急を告げた。張飛は聞いて、

「何奴? 何ほどのことかあらん」

と、自身で南門へ立ち向った。騎馬の弓箭隊は、ことごとくそこで馬をおりていた。見れば、徐州没落のとき別れたきりの味方、糜竺、糜芳の兄弟が、そのなかに交じっている。

「やあ、糜兄弟ではないか」

「オオやはり張飛だったか」

「どうしてこれへは?」

「されば、徐州このかた皇叔のお行方をたずねていたが、皇叔は河北にかくれ、関羽は曹操に降服せりと、頼りない便りばかり聞いて、いかにせんかと、雁の群れの如く、こうして一族の者どもと、諸州を渡りあるいていたところ、近ごろ