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さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
四
孫策が、叱っていうと、于吉は水のごとく冷やかに、
「わしの得たる神書と、わしの修めたる行徳をもって、世人に幸福をわかち施すのが、なぜ悪いか、いけないのか、国主はよろしく、わしにたいして礼をこそいうべきであろう」
「だまれっ。この孫策をも愚夫あつかいにするか。誰ぞ、この老爺の首を刎ねて、諸民の妖夢を醒ましてやれ」
だが、誰あって、進んで彼の首に剣を加えようとする者はなかった。
張昭は、孫策をいさめて、何十年来、なに一つ過ちをしていないこの道士を斬れば、かならず民望を失うであろうといったが、
「なんの、こんな老いぼれ一匹、犬を斬るも同じことだ。いずれ孫策が成敗する。きょうは首枷をかけて獄に下しておけ」と、ゆるす気色もなかった。
四
孫策の母は、愁い顔をもって、嫁の呉夫人を訪れていた。
「そなたも聞いたでしょう。策が于道士を捕えて獄に下したということを」
「ええ、ゆうべ知りました」
「良人に非行あれば、諫めるのも妻のつとめ。そなたも共に意見してたもれ。この母もいおうが、妻のそなたからも口添えして下され」
呉夫人も悲しみに沈んでいたところである。母堂を始め、夫人に仕える女官、侍女など、ほとんど皆、于吉仙人の信者だった。