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さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
のら息子
一
顧みれば――都を出てから、五ヵ所の関門を突破し、六人の守将を斬っている。
許都を発してからは、踏破してきたその地は。
襄陽(漢口より漢水上流へ二百八十粁)
覇陵橋(河南省・許州)
東嶺関(河南省許州より洛陽への途中)
沂水関(洛陽郊外)
滑州(黄河渡口)
「よくも、ここまで」
われながら関羽はそう思った。
しかもまだ行くての千山万水がいかなる艱苦を待つか、歓びの日を設けているか? ――それはなお未知数といわなければならない。
けれど、共に立った二夫人は、もうここまで来ればと――はやくも劉玄徳との対面を心に描いて、遠心的な眸をうっとりと水に放っていた。
のら息子
一
船が北の岸につくと、また車を陸地に揚げ、簾を垂れて二夫人をかくし、ふたたび蕭々の風と渺々の草原をぬう旅はつづいてゆく。
そうした幾日目かである。
彼方からひとりの騎馬の旅客が近づいてきた。見れば何と、汝南で別れたきりの孫乾ではないか。
互いに奇遇を祝して、まず関羽からたずねた。
「かねての約束、どこかでお迎えがあろうと、ここへ参るまでも案じていたが、さてかく手間どったのはどうしたわけです」
「実は、袁紹の帷幕にいろいろ内紛が起って、そのために、汝南の劉辟、都のむねをおびて河北へ使いしたてまえの計画が、みな喰いちがってしまったのです。