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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

わがまま者の源三郎、火のごとくいらだって、

「こここれ! 途をひらけっ。けけ、蹴散らすぞっ……」

鏡のような、静かな顔に、蒼白い笑みをうかべた伊賀のあばれン坊、裃の肩を片ほうはずして、握り太の鞭を、群衆の頭上にふるう。

乱暴至極――。

ちょうど撒銭のたけなわなところで。

熱湯の沸騰するように、人々の興奮が頂点に達した時だから、たちまちにして、輪に輪をかけた混乱におちいった。

馬列の通路にあたった人々こそ、えらい災難……。

空に躍る銭をつかもうと夢中の背中へ、あらい鼻息とともに、ぬうっと、長い馬の顔があらわれて、あたまのうえで、ピューッ! ピュッと鞭がうなり、

「ム、虫けらどもっ! 踏みつぶして通るぞっ!」

というどなり声だ。柳生源三郎、街の人など、それこそ、蚤か蚊ぐらいにしか思っていないんで。

いまだ自分の意思を妨げられたことのない彼です。思うことで実現できないことが、この地上に存在しようなどとは、考えたこともない。

癇癖をつのらせて、しゃにむに、馬をすすめ、

「ヨヨ、余の顔を知らぬか。ば、馬足にかかりたいか、ソソそれとも、柳生の斬っさきにかかりたいか、のかぬと、ぶった斬るぞっ!」