輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

三

「もうけたとはなんだ! 無礼であろうぞ!」

南部侯、むきだ。

金持といわれることは、きょうは禁物なのである。

とたんに、この大広間の一方から、手に手に大きな菓子折りを捧げたお坊主が多勢、ぞろぞろ出てきて、一つずつ、並いる一同の前へ置いた。

「愚楽さまから――」

という口上だ。一眼見ると、みんなサッと真っ赤になって、モジモジするばかり。ふだんから赤い京極飛騨守などは、むらさきに……。

おん砂糖菓子――とあって、皆みな内密に、愚楽老人へ賄賂に贈ったものだ。おもては菓子折りでも、内容は小判がザクザク……愚楽の口ひとつで日光をのがれようというので、こっそり届けたのが、こうしておおっぴらに、しかも、一座のまえで、みんなそのまま突っ返されたのだから、オヤオヤオヤの鉢あわせ。

あわてて有背後に隠して、おやじめ皮肉なことをしやアがる……隣近所、気まずい眼顔をあわせていると、シーッ! シッ! と警蹕の声。

吉宗公、御着座だ。

三

「用意を」

と吉宗、お傍小姓をかえりみた。

お小姓の合図で、裾模様の御殿女中が、何人となく列をつくって、しずしずとあらわれ出た。濃いおしろい、前髪のしまった、髱の長く出た片はずし……玉虫いろのおちょぼ口で、めいめい手に手に、満々と水のはいった硝子の鉢を捧げている。