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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

二

「あの、もうよいから、灯りはそこへ置いて、お前はあっちへ行っていや」

とお蓮様、にらむようにして小姓を去らせた。

源三郎は突ったったまま、

「安積玄心斎、谷大八、門之丞の三人は、いかがいたしましたろう」

ぽつりと、きいた。

二

お蓮様は、その問いを無視して、白いきゃしゃな手をあげて、自分の前の畳をぽんとたたき、

「ま、おすわりになったらいかが? 源さま」

源三郎は、依然としてふところ手。

いま、雨と降る白刃の下をくぐった人とも思えぬ静かさで、

「供の三人は、どこにおりますか、それを伺いたい」

言いながら、しょうことなしに、そこに片膝ついた。

まったく、不思議。

玄心斎、大八、門之丞の三人は、どこへつれさられたのやら、この広くもなさそうな寮のうちは森として、たとえいくら間をへだてていても、今の斬合いが、三人の耳へはいらないはずはないのだけれど。

真夜中の空気は、凝って、そよとの風もございません。垣根のそとは、客人大権現の杉林。陰々たる幹をぬって、夜眼にもほのかに見えるのは、月を浮かべた遠い稲田の水あかりです。

その、田のなかの細道を、提灯が一つ揺れていくのは、どこへいそぐ夜駕籠か。