輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁
言いながら門之丞は、はいって来た障子のほうへあとずさりして、しずかにあけた。さっきここへはいる時、そとの縁に置いてきたものとみえる。
「すりかえてから、考えあぐんだあげく、故先生のあの大きな御仏壇の奥へ、押しこんでおいたのです。あそこなら、神聖視して誰も手をつけませんからナ。今、この部屋へ来る途中、ソッと取りだしてまいりました。ここにございます」
「まあ……!」
「へへ、へへ、これです。どんなもので」
と門之丞、言葉も手つきも、なんだか急に骨董屋みたいになって、取扱い注意の態度よろしく、萩乃の前へさげてきたのを見ると!
なんと! 驚くじゃアありませんか。包んである布の味といい、木箱の古びかげんといい、これこそ正真正銘、ほんもののこけ猿の茶壺ではないか!
二
四つにむすんだ古布のあいだから時代のついた木箱の肌を見せて、ズシリと畳にすわっている箱包みは……。
人でも、物でも、長く甲羅をへたものは、一種の妖気といったようなものが備わって、惻々人にせまる力がある。
今このこけ猿の茶壺を、萩乃がジッとみつめていると、名器から発散する言うべからざる圧力にうたれて、彼女は、声も出ません。