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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

三

もう、大丈夫かえ?」

「なあに――」

与吉の足は、もう土間へおりていました。

三

櫛は野代の本ひのき……素顔自慢のお藤姐御は、髪も、あぶら気をいとって乱したまんま、名のとおり、グルグルっと櫛巻にして、まア、言ってみれば、持病が起こりましてネ、化粧もこの半月ほど、ちっともかまいませんのさ、ようようゆうべひさしぶりで、ちょいと銭湯へはいったところで――なんかと、さしずめ春告鳥にでも出てきそうな、なかなかうるさい風俗。

ここんところ、ちょっと、お勝手もと不都合とみえて、この暑いのに縞縮緬の大縞の継つぎ一まいを着て、それでも平気の平左です。白い二の腕を見せて、手まくらのまま、

「さわるまいぞえ、手を出しゃ痛い――柳生の太刀風をバッサリ受けても、知らないよ」

土間の与吉は、やっこらさとこけ猿の茶壺をかかえて、

「何しろ、大将が大暴れン坊で、小あばれん坊がウントコサ揃っていやすからネ。そいつが、江戸中を手分けして、この与吉様とこの茶壺をさがしてるんだ。ちいとばかり、おっかなくねえことアねえが、峰の殿様も、いそいでいらっしゃる。きっと、与の公のやつ、どうしたかと……」