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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
二人は、袋持の言葉に、一寸、不安を感じたが、それよりも、百城を信じていた。
茶店にいた人々は、似合いの夫婦らしい、百城と綱手とを、羨ましそうに、感心したように、じろじろ眺めた。
二人は、冬の山風に吹かれながら、薄く額に汗を出して、頬を赤くしながら、人々の、周章てて引込める脚の前を、奥の腰掛へ通った。婆が、茶をもって来ると、百城が
「この間の斬合のう」
「はいはい」
「あの時、一人、逃げた者があったであろう。存じておるか」
「聞いとります。今も、それで、話をしてましたが、貴下、親子の縁と申すのは、怖いようどすえ」
「怖いとは?」
「あの大勢の方の方の死骸は、すぐ、下から、お侍衆が来て引取られましたが、貴下、お年寄のだけが、明くる日の夕方まで、誰も引取手が無かったのを、貴下はん、お山に、義観さん云うて、えらい、お坊さんが、おしてなあ。何んと、不思議や、おへんか、この義観さんが、もう、かれこれ、七十にもならしたかのう、爺さん」
婆は、土間にしゃがんで、煙草を喫ってる爺を振向いた。
「うん、わしと、六つちがいや」
「そんなら、六十八か。大分、お前よりも、達者やなあ」
「いびりよる婆がいんからのう」