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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

動揺

しめたっ」

「七日と踏みゃあ、大丈夫だ」

「ようし、俺、今度、左の腕を、切られに行かあ。休さん、あっしら二人に任しておくんなせえ。さあ、しめた」

「籠屋、女を乗せて、宇田川町へ戻ってくれ」

益満は、落ちついた声で云った。

動揺

「未だ、お眼覚めでは、ござりませぬか」

と、いって、お由羅が、もう、朝の化粧を済ませて、斉興の枕頭に坐った。斉興は、枕の上へ両手を置いて、その上へ俯向きになったまま、お由羅の言葉へ、答えなかった。

「お悪いところでも?」

「いいや」

斉興は、上夜具を半分除けて、俯向きに臥たまま

「近頃、とんと、気が弱うなった」

と、呟いた。

「何んぞ、お気にかかりますことでも?」

「うむ」

「あの騒ぎのことでも、お気にかかるのでございますか?」

「いや――」

と、斉興はいったが、お由羅の心の中で

(きっとそうだ)

と、考えた。そして

(本当に、ああまで死ななくてもいいものを、勝手に、切腹したりして――)

と、お為派の死んで行った人々に憐さと――同時に腹立たしさとを、一所に感じていた。

「将曹様が、お待ちになっております。起きて、陽の目を御覧なされませ。気が晴れます。今日は、からりとした日和で、開聞岳まで見えます」