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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
第二の蹉跌
十七や、八で、その心意気が――あっしの手が、満足なら、忍び込んで御手伝いしやすがね」
庄吉の言葉は、二人を動かすに十分であった。だが、二人とも黙っていた。
「あっしに、何か、一仕事――庄吉、これをせいと、お嬢さん、何かいいつけて下さんせんか――死ねとか、盗めとか」
二人は、黙ったままであった。
「じゃあ――深雪さん、大阪のお母さんと、姉さんを、手助け致しやしょうか。そして、貴女に何か、一手柄――」
「立てさせて上げてくれるなら、そりゃあ、庄吉、この爺も――ねえ、お嬢さん」
深雪は
「はい」
と、答えた。
「ようしっ」
庄吉は、眼を輝かして、膝を叩いた。
第二の蹉跌
戸塚より藤沢へ二里、本駄賃、百五十文。藤沢より平塚へ三里、二百八十文、平塚より大磯へ二十町、六十文。箱根路へかかると、流石に高くなって、小田原から、箱根町へが四里という計数で、七百文であった。
「駕屋、急ぎだぞ」
五人の侍風の者と、商人風の者とが、藤沢の立場の前で、乗継ぎの催促をしていた。
「へい」
と、いって、小屋の中で、籤を引いていた駕人足が、きまったと見えて、黒く、走って出た。そして、自分の駕を、肩へかけると、侍の方へ