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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

「斉彬公は、四人の御世子を、人手にかけられたが、眉一つ――」

小太郎は

「判った。判っている」

と、口早に、益満の次の言葉を止めた。

「それで――用件があるが――」

小太郎は、二人の見知らぬ浪人の前で、こう云って躊躇してみせた。

「牧を討つことか」

益満は、こう云って微笑した。

「そうじゃ。江戸に――居るらしい」

「何うしても、討ちたいか?」

小太郎は、こうした益満の言葉へ、うっかり返事をすると、すぐ、頭ごなしにやられるので

「何うしても、とは?」

「一生かかっても、牧を討ちたいか?」

「親の敵なり、悪逆の徒ではないか?」

「日夜、一生、牧にかかりきれるか?」

「うむ」

「明日は、牧へ、何ういう手立をとるな」

「居所を突きとめる」

「何うした方策で?」

「それを聞きに参った」

益満は、煙管を、弄びながら

「小太郎、怒るな」

小太郎は、黙って頷いた。そして、益満の次の言葉を、不安そうに待った。

「もし――もしだぞ、わしが、それを、断る、と、云ったなら?」

「断る?」

「引受けるかもしれぬ。だが、わしが、牧の在所を探したとして、もしもじゃな、到底、三人や、五人では、歯が立たぬと、判ったなら?」