輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
「斉彬公は、その、先の先まで、考えておられるではないか? 調所は、一生かかって、薩摩のために、三百万両を積立てた。常人にできぬ腕だ。だが、斉彬公は、日本国中のために、三千万両、三億万両の富を作ろうとしておられる。それが判らんか?」
「判らん、判らん」
と、有村が、大きい声を出した。
「判らんなら、聞かしてやろう」
大久保は、有村の方を向いて、有村の顔を睨みつけた。そして
「斉彬公のため、斉彬公のためと、斉彬公の御意に反いても、為だというのか」
大久保は、いつになく、熱していた。有村も、大久保の顔を睨みつけていた。
「高崎殿への、御書状のことを聞いたであろう。将曹、平の如き人物に対してでさえ、人には何か、取柄のあるものゆえ、喧しく申すなと仰せられた。幕府に対しても、このお心で、接しておられる。犯さずして、救いたい、というお心だ」
「救えるか?」
「日本中が、富めば、幕府は自然に倒れよう。と、申しても、判るまいが、当家の力にて、日本が富めば、幕府を倒さずとても、天下は、当家へ集まってくる。今日の問題は、幕府を倒すか、倒さぬかということでなく、日本の進歩を、異国と同じところまで、引上げるか、引上げぬかだ。