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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
「それでは、斉彬は、一体、どういうのか、既に、イギリス艦を、ぶっ払ったではないか」
「そのイギリスと、手を握ったではないか」
「だから、判らんと申すのじゃ」
「そうさ、男の心なんか、判るものかい。庄吉の野郎め」
富士春は、酔ってしまったらしく、眼を閉じて、首を傾けてしまった。
「そこが、斉彬の賢明なところで、既に、異国と同じ船を造るようになったと申すではないか」
「船は同じでも――船で戦うのではない。武で戦い、魂で争うのだ」
「それは、そうだが、長篠の戦いに、武田の精兵が、織田の鉄砲に、打ちすくめられたように、異国の兵器は侮れん。斉彬が、その点へ眼をつけているのは、えらいではないか」
「そうでない。彼の祖父の重豪と同じで、今に、男女共、口を嘗めろ、と、悉く、異国の真似をするようになる」
富士春が
「犬を嘗めろ、鼻べちゃ」
と、呟いた。
「聞いてたか」
「酔っちゃいないよ」
富士春は、身体を一揺りすると、横になってしまった。
「俺には判らん。万事、京から、益満が、戻った上にて、進退を決しよう。話の如く、江戸を荒して、幕府と一戦すると申すなら、命をすてて、勤王の魁をするし、又、変節してくるなら、吾々同志は、すぐ様、京へ上ろう」