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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
(お心を、お遣いになるから――)
と、思った時
「お前達、わしのために、いろいろと企てていてくれる。忝ない――嬉しいが、少し考えが足りぬ。それで、相談をしたいがの」
口調は、柔かであったが、四人は、ぐっと、腹を突かれたように感じた。
「吉之助からの、建白書にもあるし、余の者からも聞いた。福岡で、弟からも、同じ意見が出た。将曹、平等のことについてだのう」
斉彬のそういっている呼吸の中に、微かに、喘ぎが混っていた。四人は掌を、太股へ押しつけ、呼吸を凝らし、身体を固くし、聞いていた。
「あれらを、わしのために、処分せよと――わしのためを思うてくれての志、まことに忝ない。然し、あれらの悪事の証拠が、何処にあるか?――」
吉之助は、頭の中を、熱くして
(あの呪殺だけでも――)
と、思った時――そして、三人も、それを感じた時
「お前等は、わしの子供の死んだことを申すであろうが、呪殺したという証拠が、何処にあるか? 仮りに、牧が、呪法を行うたと自白したとしても、そのために、子供が死んだのだと、何うしていえるか? 仙波の掘り出した泥人形が、仮りに、証拠物としても、子供は、六人も死んでいて、証拠は、一つしかない。