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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

」

「おもての人間として?」

「そうよ。――敵は本能寺、何もあの男がほしいんじゃァねえ、もっと外に入用なものがさきにはあったんだ。」

「…………」

「分らねえか? ――さきじゃァ若宮がほしかったんだ。」

「若宮君が?」

「若宮を引っ張りたいために吾妻を引っ張ったんだ。――若宮にとって吾妻はたった一人の伯父さんだ。――つまりはだから囮。――彼奴はつまり若宮を引っ張るための囮になったんだ。」

「だって、それは……」

「何が?」

「いゝえ、若宮君を。――人もあろうにあの人を。―――そんな乱暴な……」

「そうよ。乱暴よ。――随分無茶な話よ。――が、それを承知で無理からしかけたいくさだ。」

「それより若宮君を引っ張って。……いくら若宮君が綺麗だからって、いくらあれだけの人気をもっているからって、あの人を引っ張ってあの人に喜劇の出来ようわけがないじゃァないか。」

「誰が若宮をつかまえてそんなことをさせる……」

三浦はわざと声を出してわらった。

「矢っ張じゃァ表の人間にか?」

田代は皮肉のつもりでいった。

「新派をやらせるんだ、新派を。」三浦はそれにはこたえず「はじめはあの楽天団の喜劇の間に一ト幕か二タ幕挟み、そのうちに汐さきをみて『若宮一座』