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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
三
「ちょうど、今日、三十五日に……?」
「そうだ、そうなるんだ。」由良はすぐ引取って「だから、これから、墓まいりに行ってやろうと思っているんだ。」
「喜んでおりましょう、しかし……」
田代はそれに調子を合せた。
「誰が?」
「いゝえ、若宮君……」
「可哀想な男よ。」由良は、それにはこたえず、半ば自分にいうようにいった。「日の経つにつれてだん/\身にこたえて来る……」
「へえ。」
「どこかへ行くのか、これから?」と、急に、由良は眼を上げた。
「あたくしでございますか?」
狼狽てゝ田代はいった。
「いゝえ、小倉も、三浦も……?」
「べつに、いえ……」
そういって小倉は三浦をふり返った。――来たぜ、おい。……三浦はそういった工合にそッと頤をしゃくッてみせた。
「もし体があいているなら、どうだ、一しょに行かないか、俺と?」
「へえ、有難うございます。」田代は頭を下げた。
「有難うございますじゃァない、行かないかとさそうんだ、こっちは。――よかったら行ってやれ。」
「どうせ、いえ、行こうと思っているんでございますから……」
「どうだ、そっちは?」
「いえ、わたくしどもゝ。――お供いたします、こちらも……」