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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

二

――知らなかったでしょう?

――初耳だ。

――だって、あたし、だれにも、めッたに、いわないんですもの、それを……

――どうして、さ?

――それをいうの、かなしいんですもの……

といって、そッと目を伏せるようにしたかと思うと

――ウ、フ、フヽヽ……

と、急に、おさわは、いかにもおかしそうに、声をだしてわらった。

――ねえ、顔より大きなマスク。……うまいこというわね、あなたッて人。……ほんとにそうだったわ、顔より大きかったわ、あのマスク……

二

――何を、つまらない……

ぼくは、わざと、苦い顔をして

――自分で自分のはなしの腰を折る奴もないじゃァないか?

――顔より大きなマスク。……そうなんですもの、その通りなんですもの。……でも、あたしには、うまく、そうはッきりいえなかった……

と、おさわは、もう一度、わらい直さなければ承知しなかった。

――せッかく、しんみりしたはなしになりかけたとき、どうして急に、そんなつまらないことをいいだしたんだ?

と、ぼくは、すなわち、その顔をあわれんだのである。

――不思議な女だなァ、君ッておんなは……

と、おさわは

――そうでしょう、不思議でしょう? ……自分でも、ほんとにそう思うの、とき/″\……