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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
二
「な、なにをいやァがる。――それはチョコ銀に……」
「だから借りたんじゃァねえか。――たしかにそうなんじゃァねえか。」
「そうさ。――それはそうさ……」
「チョコがしかし、そんなあてのねえものを貸す風か?」
「あての?」
「みとめのつかねえ金を器用にそう出す奴か?」
「…………」
「だからいうんだ。――お前、それを、何の金だと思うんだ?」
「だってさ。」
「チョコの仕事なんだ。――大体今度のその仕事っていうのが菱川信夫のさりゃくなんだ。」
小倉はずけりとそういった。
二
が、田代は、にわかにそれを肯わなかった。
「だってチョコが? ――可笑しいじゃァないか、それは?」
「どうして?」
「それは、あのじゞい、慾張っちゃァいる、こすッからくは出来ている。……随分、ふてえ、小癪に障る、それこそ人の小股をすくうようなことばかり始終しちゃァいるが、もと/\そんな悪党じゃァない。――そんな大それた真似の出来る大百じゃァない。」
「そうよ、大百じゃァない。……そんな大百でないだけチョロリ人に乗せられる。――掻出されゝばすぐその気になる。」
「だって、そういったって、それじゃァ『矢の倉』の先生に弓を引くもんじゃァないか?」