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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁

青空文庫

……そんな無茶な、分らない……」

「と、わたくしどもでもそう思います。――が、一ト足しりぞいて考えるとそのほうがほんとう。――知らないほうがほんとうだという気がいたします。――つまりは西巻さんのいまの柳橋のお話……それとおんなし道理だと思います。」

「旦那のようにそうあきらめておしまいになっちゃァ。――あたくしなんぞ、まだ、そうなんだなァ、そういう世の中になったんだなァと思っても、いざとなると矢っ張そこにうぬぼれが首を出します。」

「それは、あなたは、お若くっておいでだから……」

「いゝえ、それが。――外のことじゃァそうもうぬぼれもいたしませんが……」やゝ鼻白んだかたちにわらって田代は料理場のほうをふり向いた。「下さいな、お銚子を。」

「ついでに此方へも……」と「うたむら」の主人もその尾について「お話が面白いもんでつい今日はいたゞきます。」

「折角、しかし、お一人で飲っておいでのところを。」

「いゝえ、こちらはもう相手ほしやでおったところ。――そちらこそ飛んだ御迷惑で……」

「いゝえ、あたくしはもう。――それよりぶちまけて一ついゝ機会だからあたくし旦那にうかゞいたいことがあります。