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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《春泥・三の酉(しゅんでい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 頁
……どうしてだろう、こんなはずじゃァなかったがと思うことだって、この四五年たび/\あるようになりました。――でも、それは、ものゝ流行すたりはどんなものにだってあります。――いえばそれがあるから芝居だってすゝんで行くんだと思います。」
「それは、もう……」
「よく金平さんがいいますけど、ずっと以前旧派の人たちが新派に押され、古いものばかりやっていたんじゃァお客が来なくなったんで、いまのあの歌右衛門さんや幸四郎さんが、『不如帰』や『乳姉妹』をなすったってこと。――つまりはそれだって、そういう旧派の芝居のうまく行かない時節にぶつかったからそんなことにもなったんで、だからといって旧派がそれっきりになってしまやァいたしません。――それっきりになるどころか、いまじゃァ以前よりもっとさかんになって来ています。」
「それは、もう、それだけの価値のあるものでしたらそれっきりになんぞなるわけがありません。いつか、また、きッと時節がまわって来ます。――でなかったら、あなた……」
「そうでござんしょう。――ですから。――ですから、あたくし、先刻申したうぬぼれの、うちのまず師匠、筑紫さん、汐見さん、もう一人、若宮君……」