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めいしんとしゅうきょう

迷信と宗教

井上 円了

線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁

青空文庫

かかる比喩形容は己の知識の程度によって、もとより取捨すべきものである。しかして、その原理に至っては決して排去すべきものでない。

われわれの良心は、善事をなせば必ず善果あり、悪事をなせば必ず悪果あるべしということを、われわれに教えている。しかして、その要求より喚起せる世界の大精神は、もとよりこの善悪因果の規則を支配するものなることも、わが良心がわれわれに教えている。これを天の誠と名づけてもよろしい。古来、「天道は淫に禍し善に福す」とはこのことを申すのである。しかるに、人間界は善人にして不幸にあい、悪人にしてしあわせを得ているものが多い。ここにおいて、変遷生滅ある人事界のほかに不滅界あることを要求す。世界の大精神は不滅であると同時に、われわれの精神中にも不滅なるものあって、必ず未来際を尽くして善悪因果の規則を満たすものとの信念が起こる。すなわち、現界がこの規則をみたすあたわざるも、冥界においてこれをみたすべしとは、わが道徳的観念がわれを指導するところである。ここにおいて、霊魂不滅の信念と同時に、苦界楽界の実在を喚起するに至るのである。それゆえに、宗教は今日の学術の証明なきかどをもって、これを迷信と断定することはできぬ。