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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
第一三段 四国の迷信 一(犬神)
大分県方面にては犬神の迷信が多いが、これは四国より伝来せしものなれば、後に述ぶることにしたい。また、外道と唱うる迷信もあるが、これは犬神の種類である。また、余が豊後にて聞くに、座頭、物知りなどと唱うる、吉凶禍福の予言するものが多いとのことである。
第一三段 四国の迷信 一(犬神)
つぎに、四国の迷信として第一に犬神の話をせなければならぬ。実に四国は犬神の本家本元である。元来、四国には狐がいないから、狐についての迷信が全くない。その代わりに犬神というものがある。その起源は極めて不明なるも、民間に伝うるところによれば、一頭の犬を縄にて柱につなぎ、その前に食物を盛りたる器物を置き、犬は首をのばしてこれを食せんとするも、縄のたけ短くして口これに達せず、彼のまさに餓死せんとするところを見てその頭を斬り、これを家に秘蔵しておけば、犬の一念がその中にこもっておるから、もしその家にて他人の所有せるものをホシイと思うのに、他人これにそのものを与えざるときは、犬の執念が他人を悩ますに至るという話である。その家は子々孫々血統を追って伝わり、他人より擯斥せられて、他家と婚縁を交うることできず、社交上孤立の境遇に陥ることになる。