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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
第五七段 宗教の真相 四(良心)
その声を聞いて、いまだその光を見ざるのが倫理の境遇である。これ、信門を開かず、心内の戸を隔てて絶対を感ずる故であろう。余はこれを盲目的絶対と名づけておく。しかるに、宗教は絶対の声を聞くのみならず、光を仰ぐことができる。すなわち、盲目にあらずして明眼を具したるものとなる。これ畢竟、信門を開きて絶対関内の光景に接触する故である。
以上述ぶるところにより、哲学と宗教の相違、および倫理と宗教の異同の一端をうかがうことができるであろう。そのくわしい説明は今ここに論ずべき問題でもないから、他日起草せんとする『宗教新案』に譲っておく。
第五七段 宗教の真相 四(良心)
さらに迷信と宗教との相異なる点は、迷信は背理なる上に利己的にして、かつ非倫理的である。なんとなれば、一身一家の貧苦、病患、災害を除いて、富貴、財宝、寿福を得んとする一念にほかならざるものである。一身の苦楽を捨てて社会の福利を求め、一家の利害を顧みずして一国の安寧を計るというがごとき道徳的観念は、毫も迷信中に見ることができぬ。つまり、迷信は利己的、私情的のものである。しかるに、宗教は公益博愛をもととし、たとい自利を説くも、利他を目的とする自利にして、徹頭徹尾道徳的である。