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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁
第四七段 迷信の原因 一(道理と運命)
その話は『怪談弁妄録』と題する書中に書いてある。
右のごとく、世人の迷信に付け込んで悪事を企つるものが起こってくる。その上に迷信が盛んになると、人が己の努力によって立身成功しようという気力を減ずる傾向がある。また、迷信が流行すると、倫理の鏡を曇らし、宗教の月を隠して、精神界を暗黒にすることは勢いの免れぬところである。その理由は後に述ぶることとし、結局、迷信は比較上、害あって益なしという断案を結ばざるを得ない。しかし、格別害なき点だけは、そのままに任せておいても差し支えなかろう。
第四七段 迷信の原因 一(道理と運命)
すでに迷信を有害と断定したる以上は、これを除去する方法を講じなければならぬ。また、その方法を講ずるには、まず迷信の起こる原因を知ることが肝要である。
迷信の種類に多様あるがごとく、その原因にも多様あって、精細の説明は一朝一夕になし難いから、ただここには、大体について主要なる原因だけを挙示したいと思う。もし、これを一括していわば、
(一)道理に暗きより生ず。
(二)運命に迷うより生ず。
この二項目に帰するであろう。しかして、道理に暗き方は知識の乏しきためであって、知識の乏しきは教育の足らざるためと申してよろしい。