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めいしんとしゅうきょう

迷信と宗教

井上 円了

線上閱讀井上 円了《迷信と宗教(めいしんとしゅうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,147 字 · 298 頁

青空文庫

ことは、さきにいわゆる大海の水は無量なるも、一杯の器に移せば一杯の水となるがごとし。果たしてしからば、神秘なり、天啓なり、かくのごときはみな心理学より説明し得らるべき道理なり。あるいはその他の幽霊のごとき、冥界のごとき、鬼神のごとき、みな物心万象のほかに超絶せる問題なれば、物理、心理の上にて説明すべからずというも、世人のいわゆる幽霊、鬼神の類は、すべて物心の範囲内において説くものなれば、その真否もこの道理によりて論究せざるべからず。

これを要するに、宗教の本体は無限絶対、不可思議の上にありとするも、その現象作用の物心有限の範囲内に発顕するときは、これすでに理内の理にして、物理的および心理的説明によりて考究し得べきものとす。もし、その本体に至りては理外の理なりとするも、我人の無限性の心力によるときは、また多少知了するを得べし。ゆえに余は、宇宙の問題たる、可知的なるがごとくにして不可知町なり、不可知的なるがごとくにして可知的なりといわんとす。かくして物心万有のほかに、絶対不可思議の体あることを証明するは、実に余が妖怪学の目的にして、「緒言」に、仮怪を払って真怪を開くとはこれ、これをいうなり。