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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
夢で見たもの幻しで感動したことが、強く残っていなければ神の像は描かれぬ如く、かつてある日の物の哀れというものが、自然に我手を役してその面影を再現させようとしたのが、言わば我々の技芸の始であった。写生の真に迫るということは、恐らくは単に心の鏡の澄みきっていたことを意味する以上に、更にそれ自身の光というものがあって、特に力強くある物を照そうとした結果であろうと思った。鳥が人間の魂の兄弟であることを信じていた者は前代には多かった。従って同じ親子の愛情にしても、彼等の感じたものは格別に理解しやすかったので、彼等のこんな簡単な巣を窺うような形までが、永く記念の像を後代に遺すことになったのではないかと思った。
旅人が殊に鳥類の声姿に、心を引かれるのも由来があることらしい。これも芸術の起原論と同様に、美しいということはむしろ結果であって、以前は今よりも一段と彼等の挙動によって、学び心づくことが多かったために、これをよそよそしく眺めることが出来なかったのかも知れぬ。私はまたある時、亜米利加の曠野を過ぎていて、二羽の闘う小鳥が中空に向き合って、羽ばたきをする姿の美しいシンメトリイを見たことがある。