輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
折々、登城しては、その劉表に向って、天下の機微や風雲を語ってみても、こんな女々しい愚痴ばかり聞かされるので、玄徳もひそかに見限っていた。すると或る折、酒宴の半ばに、玄徳は厠へ立って、座に帰ると、しばらくのあいだ黙然と興もなげにさしうつ向いていた。
劉表はいぶかって、
「どう召されたか。何ぞ、わしの話でも、気にさわられたか」と、たずねた。
玄徳は面を振って、
「いえいえご酒宴を賜りながら、愁然とふさぎこみ、私こそ申しわけありません。仔細はこうです。ただ今、厠へ参って、ふとわが身をかえりみると、久しく美衣美食に馴れたせいでしょう、髀の肉が肥えふくれて参りました。――かつては、常に身を馬上におき、艱苦辛酸を日常としていた自分が――ああ、いつのまにこんな贅肉を生じさせたろうか。日月の去るは水の流るる如く、かくて自分もまた、なすこともなく空しく老いて行くのか……と、ふとそんなことを考えだしたものですから、思わずわれとわが身を恥じ、不覚な涙を催したわけでした。どうか、お心にかけないで下さい」と、詫びて、瞼をかろく指の腹で拭った。
劉表は、思い出したように、
「そうそう、ずっと以前、許昌の官府で、君と曹操と、青梅の実をとり酒を煮て、共に英雄を論じた時、どちらが云ったか知らないが、天下の群雄もいま恐れるに足るものはない、まず