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さんごくし
三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁
「知らずや、秦※(「王+其」、第3水準1-88-8)!」
「なんだと」
「途々、此方をさえぎったものは、ことごとく首と胴とを異にしておる事実を。名もなき下将の分際をもって、顔良、文醜にも立ち勝れりと思いあがっておるこそ不愍なれ。むだな死は避けよ。そこを退け」
「だまれ。おのれ手なみを見てから吐ざけ」
秦※(「王+其」、第3水準1-88-8)は、そう吠えると、やにわに刀を舞わして躍りかかり、彼の従兵も、関羽の前後から喚きかかった。
「ああ、小人、救うべからず!」
偃月の青龍刀は、またしても風を呼び、血を降らせた。
秦※(「王+其」、第3水準1-88-8)の首は、地に落ちている。そしてその首は、赤兎馬のひづめにかけられたり、逃げまどう部下の足に踏まれたりして、血と砂で真っ黒にまぶされていた。
埠頭の柵を破壊して、関羽は、繋船門を占領してしまった。刃向かう雑兵群を追いちらし追いちらして一艘の美船を奪い、二夫人の車をそれへ移すやいなや、纜をとき、帆を張って、満々たる水へただよい出した。
ついに、河南の岸は離れた。
北の岸は、すでに河北。
関羽は、ほっと、大河と大空に息をついた。