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さんごくし

三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 頁

青空文庫

――それっと手下の者ども、総がかりとなって、相手の浪人を蔽いつつみましたが、その者の膂力絶倫で、当れば当るほど猛気を加え、如何とも手がつけられません。およそ世の中にあんな武力の持ち主というものは見たこともありません」

関羽は、聞き終ると、

「さらば、その珍しい人物の戟と、この青龍刀とを、久しぶり交じえてみよう」

と、一騎でまっ先に立って、山麓の高所へ馳け上って行った。

玄徳も鞭をあててすぐその後につづいた。すると、彼方の岩角に、鷲の如く、駒を立てていた浪人者は、玄徳のすがたを見ると、たちまち鞍からおりて、関羽が来てみた時は、もう地上に平伏していた。

「やあ、趙雲ではないか」

玄徳も関羽も、ひとつ口のように叫んだ。浪人者は面をあげて、

「これは計らざる所で、……」とばかり、しばしはただなつかしげに見まもっていた。

これなん真定常山の趙雲、字は子龍その人であった。

趙子龍はずっと以前、公孫の一方の大将として、玄徳とも親交があった。かつては玄徳の陣にいたこともあるが、北平の急変に公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)をたすけ、奮戦百計よく袁紹軍を苦しめたものである。