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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 頁

青空文庫

丹波も、さる者。

櫓の上から、しずかに一礼して、答えました。

「柳生? ハテ、当家と柳生殿とは、なんの関係もないはず。通りすがりのお方と、お見受け申す。御通行のおじゃまをして、恐縮千万なれど、ちと不幸ばしござって、今日は、当道場の例として、諸人に銭をまきおりまする。それがため、この群衆……なにとぞかってながら、他の道すじをお通りあるよう、願いまする」

そして、源三郎を無視し、けろりとした顔で、最後の三宝をとりあげ、

「これが打ち止めの一撒き――!」

と叫んで、その三宝ごと、パッと、わざと源三郎をめがけて、投げつけました。

三宝は、安積玄心斎が鞘ごと抜いて横に払った一刀で、見事にわれ散った。白いお捻りが雪のように乱れ飛ぶ。

丹波は悠々とやぐらを下りて、さっさと門内へ消えた。不知火銭は終わったが、おさまらないのは、うまくはずされた源三郎と、源三郎に踏みにじられた群衆とで。

「ヤイヤイ、江戸あ大原っぱじゃアねえんだ。馬場とまちがえちゃア困るぜ」

「柳生の一家だとヨ。道理で、箱根からこっちじゃアあんまり見かけねえ面が揃ってらあ」

半分逃げ腰で、遠くから罵声を浴びせかけるが、源三郎はにこにこして、ピタリ、門前に馬をとめたままです。