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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

だが、同時に、齢端の行かぬ、世間知らずの娘が、そんな――由羅を刺すというような大任ができるだろうかと、心配になった。

「人間というものは、何んなことがあっても、いつも、明るい心さえもっておったなら、道は、自然に開けてくる。明るい心とは、勇気のあること、苦しさに負けぬこと――よいか」

と、云った時、南玉が、ことこと戻って来た。深雪は、短刀を押頂いて、懐中した。

「わしは、これから、富士春の許へ、一寸、行って来る」

益満は、刀を持って、立上りながら、勝手で、七輪への、焚木を、ぷつぷつ折っている南玉へ

「客は、戻ったぞ」

「しめたっ」

「へべれけになって、又、席を抜くなよ」

「腰を抜く」

南玉は、こういって、障子の破れ穴から、中をのぞいて、益満が出て行きそうなので

「一杯やってから」

と、徳利を提げて出て来た。

「急ぐ」

「便所なら、こっちにも――」

「馬鹿っ」

益満は、笑いながら出て行った。深雪には何の事だかわからなかった。

富士春は一人きりだった。益満が入って行くと、惣菜をお裾分けに来たらしい女房が、周章てて勝手から出て行った。富士春は、お惣菜の小鉢を、鼠入らずへ入れて、益満へ