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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

「何か?」

と、不安そうな表情をして、出迎えた。

「手分けをして、急ぎの使に、行ってくれ」

こう云いながら、自分の部屋へ入って、廊下の敷居際に、うずくまっている若党に、部屋へ入って来て、刀を受取ろうと、手を差出している女房に

「お前は、近藤隆左衛門殿のお邸へ参って、只今、容易ならぬ使者が、殿より立ちますから、御覚悟なされますようと、申して参れ。何ういう使者だ、と聞かれたなら、内密の用につき、心利いた者を、至急、およこし下されますよう――火急の用にて、諸方へお知らせしておりますゆえ、手不足の当方より、一々、その旨を話す者を、差上げられませぬから、と――」

こう云って、若党に

「そちは、山一殿のところへ参り、善助を、高崎殿のところへ、やってくれ、口上を、間違えるな。もし、失念致したなら、お命にかかわることゆえ、と申せ――それから、七瀬」

七瀬は、胸を騒がしながら、坐っていたが

「はい」

と、見上げると

「御足労だが、国分猪十郎の許へ参って、右の口上、申し伝えて来てくれんか」

矢五太夫は、人々に、こういいながら、机の前へ坐って、急いで、墨を磨り出していた。女房が