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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
そして、諦めがついて来たが、いつかの、小藤次の体臭、手の毛、呼吸の臭を思い出すと、身体中が、寒くなった。
(お母様は、お国許に、無事にいなさるかしら――)
深雪は、もう一度、母に逢って、抱きしめてもらいたかった。母の膝の上で、思いきり、泣いて見たかった。
「ここを曲りましては?」
「その横町は、ももんがあが出る」
「出ても、かまいません」
「その外、三つ目小僧に、幽霊」
南玉のいうのもかまわないで、深雪は、右へ曲った。
(いけねえ、庄公め、何処へ行ってやがるんだろう。うまく小藤次の辺で、逢えばよいが、この様子じゃ、きついらしいからな)
南玉は
「齢をとると、どうも、冷えて、又、小便」
「小父様、妾一人でまいります。道は、存じておりますから――」
「ちょっ、ちょっ、一寸、小便め、びっくりして、潜っちまやがった」
「本当に――あの、くれぐれも、兄を。あのように、かたくなでございますから――」
「かたくななのは、貴女も、そうで、老人をいじめて――」
「何か、いじめましたかしら」
「小便をさせないで、出物、はれ物――」
「でも、早く参りませぬと、もしも、臥んでしまいましては――」
「何も、そう、周章てて、抱かれに行かずとも――」