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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
と、思うと共に
(何故、母まで、殺して――)
と、思うと、その、凝視している月丸の眼を、怪しい精のように、感じた。
「定めて、憎く思われようが――全く、過って――」
庄吉が
「何故、七瀬殿を、お殺しなさいました」
鋭く云った。月丸は、ちらっと、横を向いて、庄吉を見て
「七瀬殿か。あれは、四ツ本氏が、斬ったのじゃ」
「卑怯なことを、仰しゃいますな」
「卑怯っ」
月丸は、鋭く、庄吉を睨んだ。
「卑怯?――何が卑怯っ」
「自分が、殺しておいて――」
「うぬら、下素下郎に、武士の、卑怯、卑怯でないが、判るかっ」
「何っ」
庄吉は、一足退った。そして、懐の短刀を、懐の中で抜いた。そして
(こいつを、突き出すが最後、ずばりとやられるかも知れねえんだ)
と、感じると、脣も、額も、色が変ってきた。そして、ちらっと、深雪の方を見ると、深雪も、蒼白になっていた。
「白々しいことを抜かすなっ」
庄吉が、こう叫んで
(深雪が、斬りつけて行ったら、飛び込んでやろう)
と、思った。月丸が、右手を刀をかけようとして、忘れていた臂の痛みに、一寸、手を止めた。
「もし、貴下――百城様」
南玉が、少し離れたところから、声をかけた。