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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

ええか、生駒山、生ける駒、馬と書く」

「生駒ね、はい」

「その山相、山の姿、山の形だの、それが、この頂上の四明に、よく似ている。わしが、牧に、四明での修法を断った上は、近畿の山では、生駒山の外に、同じ山相の山がない。鞍馬、愛宕でも、修法をするであろうが、第一の修法は、同じ山相の山で行うのを、秘呪の法としておるから、必ず、この生駒の頂へ参ろう。四方広濶にして、山頂は草原――」

「四方広濶にして山頂は?」

「草原」

「よく判りました」

「必ず、牧は、この山へ参ろうから、余のところを捜さずとよいと、小太郎へ、伝えてもらいたい。わしゃ、忘れていてのう、云うのを――今、思い出したから、言伝けるのじゃが――手紙を先に、小太郎を後にの」

「早速、それでは――」

と、云って、南玉が、立上った。庄吉が

「師匠」

と、呼んだ。

「おいの」

襖が開いた。庄吉は、義観へ、お叩頭をしてから、南玉に

「若旦那に、くれぐれも、御用心なさってと、の――首尾よく牧をお討取りなさいますのを、祈っておりますって――」

「よしよし――お嬢さん」

南玉は、そう云いながら

(又、この娘さんを心配させることが一つ増えたが――)