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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁

青空文庫

異国の書物も、掛の者も、衆智を集め、衆力を集めて――お前達、一目見れば判るであろう。磯浜の反射炉、大砲、紡績機、硝子製造、これら悉く、財力と、智力と、衆力と、決して、わし一人の力で出来たものではない。一人の力で、天下の重大事、国の大事が出来ると心得ておるようでは、これからの時勢に遅れるぞ。わしが無うても、わし以上にやる、という心が無うて、その若い者が、何うする。お由羅を討つの、将曹を討つのと、何故、志が、そんなに狭い。何うして、そう小さい? 何故、お前達一同が、わしにならぬ。わし以上にならぬ。わしに恐れ、わしを尊び、わし以上に出られん、と心得ているようなことで、何うするのじゃ。お前達、軽輩二十人で、天下の難に赴き、日本を双肩に――いいや、吉之助一人、一蔵一人、岩下一人で、天下を双肩に負うくらいの覚悟が無うて、何うする? わしは、お前達が、悉く、その決心で居るとおもうていたに、何事じゃ」

吉之助も、一蔵も、俯向いたきりであった。斉彬に、いろいろ云おうとしていたことが、だんだん小さく、薄く、そして、消えてしまって、その代りに、斉彬の言葉が、頭の中の壁に、胸の中に、肚の底に、血管の中へまでも、毛髪の末へまでも、沁み込んできた。