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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
庄吉、共々に、同じ棄てる命なら、人のせぬことをして、棄てようではないか。同志を裏切ったと、罵られようと、隼人の面目を汚したと、いわれようと、わしは、これが、斉彬公のお志の第一であったと、信じる――深雪、その心でいてくれい。わしは、今まで、武士としての半生を、空しく、過してしまった代りとして、これから後の半生を、益満より、一足先に、出ようとおもう」
「資本は、若旦那」
「資本か」
と、いって、小太郎は、笑った。
「益満、諸共、押込じゃ」
そういった時、表から
「小太」
と、益満の声がした。
「行くか?」
「いよいよ仕事の手初めだ」
「わしも、仕事の手初めだ」
小太郎は、笑いながら、刀をとって、立上った。薄暗くなって来た表の土間に、益満か、身軽な姿で立っていた。
「今夜の、手初めが、やがて、天下を一新する手初めになるのだ」
「益満、わしは、金子を奪うぞ。それも軍用金にでなく、密貿易をする資本にだ。同志に不服の者があるが、わし一人でも、この志は変えぬ。これが、斉彬公に尽しうる、わしが、ただ一つの道だ――判るか」
益満は、暫く黙っていたが
「それもよい」
と、いった。
「行こう、益満」